今回は高配当投資で「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)」を取り上げていきます。
概要
時間がない方向けの概要としては次の通りです。
- 1489は日経平均高配当株50指数に連動するように設計されているETF
- 高配当銘柄に集中投資
- キャピタルゲインも狙える
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)って何?
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)の基礎情報を見ていきます。
名称 | NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) |
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
ベンチマーク | 日経平均高配当株50指数 |
信託報酬 | 0.308% |
設定日 | 2017年2月10日 |
特徴は以下のとおりです。
- 銀行、鉄鋼、輸送用機器、海運などの配当高めのセクターを保有
- 配当利回りが高い銘柄で構成され、約3~4%の高い分配金利回り
- 年4回(1月・4月・7月・10月)分配金支払い
1489は、野村アセットマネジメント社が提供しているETFの一種です。
高配当銘柄で構成され、高い分配金利回りを誇り、長期的にはキャピタルゲインも狙える人気のETFです。
ベンチマークの日経平均高配当株50指数ってどんな指数?
日経平均高配当株50指数は、日経平均構成銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される配当利回りウエート方式の株価指数です。
日経の予想配当を使って、基準日である5月末の予想配当利回りの高い銘柄を定期見直しルールに基づいて選定されます。
日経平均から除外される銘柄は臨時に除外しますが、原則として構成銘柄が45銘柄未満となるまではその都度補充はせず、次の定期見直しで50銘柄に戻します。
2024年6月14日に銘柄入替が実施され、以下の銘柄が採用されました。
・1802大林組
・4503アステラス製薬
・6305日立建機
・6471日本精工
・6770アルプスアルパイン
・6952カシオ計算機
・7201日産自動車
・7267本田技研工業
・8252丸井グループ
また、以下の銘柄が除外されました。
・5020ENEOSホールディングス
・7186コンコルディア・フィナンシャルグループ
・8031三井物産
・8308りそなホールディングス
・8354ふくおかフィナンシャルグループ
・8604野村ホールディングス
・8795T&Dホールディングス
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)の構成銘柄
構成銘柄は以下のとおりです。
証券コード | 会社名 | 構成比率 |
4502 | 武田薬品工業 | 3.9 % |
5401 | 日本製鉄 | 3.8 % |
2914 | 日本たばこ産業 | 3.5 % |
4503 | アステラス製薬 | 3.3 % |
8725 | MS&ADインシュアランスグループホールディングス | 3.2 % |
9434 | ソフトバンク | 3.2 % |
7267 | 本田技研工業 | 3.1 % |
8411 | みずほフィナンシャルグループ | 3.1 % |
9107 | 川崎汽船 | 3.0 % |
5411 | JFEホールディングス | 3.0 % |
※2024年6月28日時点の情報。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)のメリット
メリットは以下4点です。後ほどデメリットも記載しますが、そのデメリットを考慮しても余りあるメリットがありますので、
「高配当投資を追い求めたい人」、「あれこれ考えず高配当銘柄のみに投資したい人」には一考の余地があると思います。
- 高い分配金利回りが期待できる
- 高配当銘柄に分散投資することができる
- 分配金だけでなくキャピタルゲインも狙える
- あれこれ考えず当ETFのみで高配当銘柄に投資できる
1.高い分配金利回りが期待できる
1489は高配当銘柄で構成されていることから、一般的な日本株ETFと比べ高い分配金利回りとなっています。また年4回(1月・4月・7月・10月)分配金が受け取れます。
四半期毎に分配金が出るため、定期的にキャッシュを得たい方には非常に大きなメリットと言えます。
1489は保有しているだけで3~4%前後の分配金を得られるため、長期的な資産運用を目指している方にもおすすめできます。
2.高配当銘柄に分散投資することができる
1489だけで約50社への分散投資を行えるので、1企業の業績が悪化した場合にも価格変動リスクを大幅に抑えられるでしょう。
企業選定や分析をプロに任せることができ、その間自分は好きなことに時間を使えることも大きなメリットです。
3.値上がり益(キャピタルゲイン)が狙える
高配当ETFとして注目を浴びる1489ですが、実は値上がりについても好成績を残しています。
分配を受け取りつつ値上がり(キャピタルゲイン)も狙える銘柄として優秀です。
以下、1489・日経平均株価・SP500の比較表です。
4.あれこれ考えず当ETFのみで大型優良企業15社に投資できる
当ETFを持てば高配当銘柄約50社に投資できてしまうことから、あれこれ考えたくない方にとっては非常に手軽なETFと言えます。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)のデメリット
次にデメリットを見ていきます。デメリットは次の3点です。
- 値上がりがゆるやか
- 分配金の再投資が手間
1.値上がりがゆるやか
先述の通り1489は一定の値上がりは期待できますが、他のETFに比べ、値上がりはゆっくりです。
高配当銘柄は成熟した企業が多いため、ハイグロース銘柄が選好される局面では、想定よりも値上がりが期待できない可能性もあります。
NASDAQを対象としたQQQ、S&P500を対象としたVOO、米国株式市場全体を対象とするVTIといった銘柄に比べると値上がり率は低いため、キャピタルゲインを狙うなら他のETFへの投資が有効です。
以下、1489・VOO・QQQの比較表です。
2.分配金の再投資が手間
長期投資では分配金を再投資して元本に組み入れ、複利効果を享受するのがセオリーですが、ETFは投資信託と異なり、自動で再投資することができません。1489から支払われた分配金を再投資するには自分で買付を行わなければならないため、手間がかかります。また、1回で受け取る分配金が1489の1口分に満たなければ、分配金をそのまま再投資に回すことはできません。資金繰りを考慮しなくてはならないため、投資信託と比べ手間が多く発生します。長期投資を行うにあたって分配金を自動で再投資したい方は投資信託を活用することをおすすめします。
以上が、1489のデメリットとなります。
まとめ
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)は「日経平均高配当株50指数」に連動するように設計されているETF。
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)には他の銘柄に負けないメリットがある。
- デメリットもある。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)を使ったポートフォリオ例
最後に、NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)を使った投資の一例を紹介していきます。
基本のNEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)100%ポートフォリオ
特徴:NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)のみで構成される基本的なポートフォリオ。
構成ETF | 比率(%) |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 100 |
高配当株&ボンドディフェンスポートフォリオ
特徴:日本の高配当株で安定したインカムを得つつ、アメリカの総合債券と消費財セクター株を組み合わせてポートフォリオのリスクを軽減する。
構成ETF | 比率(%) |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 50 |
AGG(iShares Core US Aggregate Bond ETF) | 30 |
VDC(Vanguard Consumer Staples Index Fund ETF) | 20 |
高配当&グローバルディフェンスポートフォリオ
特徴:日本の高配当株を中心に据えつつ、国際債券と米国連続増配ETFを加えることで、地域分散と収益の安定性を図る。
構成ETF | 比率(%) |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 60 |
BNDX(Vanguard Total International Bond Index Fund ETF) | 25 |
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) | 15 |
高配当特化ポートフォリオ
特徴:高配当ETFに特化し、インカムゲインを追求する。
構成ETF | 比率(%) |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 25 |
VYM(Vanguard High Dividend Yield Index Fund ETF) | 25 |
SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF) | 25 |
HDV(iShares Core High Dividend ETF) | 25 |
高配当株&テクノロジー&新興市場アグレッシブポートフォリオ
特徴:日本の高配当株と新興市場およびテクノロジーセクターを組み合わせ、リスクを取りつつ高い成長を目指す。
構成ETF | 構成比率(%) |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 34 |
TECL(Direxion Daily Technology Bull 3X Shares ETF) | 33 |
VWO(Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF) | 33 |
人により取れるリスクは異なりますので、どの投資戦略が良いかは一概に言えません。
上記ポートフォリオ案が参考になれば幸甚です。
以上がNEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)の紹介となります。次回もお付き合いいただけますと幸いです。