1.はじめに
1.時間が無い人向けの概要
- 新NISAは、国内株・単元未満株(プチ株)・米国株・投資信託が手数料無料
- 「auPAYカード」を使うとお得で、貯まったPontaポイントは投資信託に再投資も可能
- 高機能チャートツール「kabuステーション」を、預り資産100万円以上や信用口座開設で無料使用可
- auじぶん銀行と連携すると、買付資金の金利が0.10%になるためお得
- iDeCoは手数料最安値で、ハイリスク・ハイリターンのアクティブ型世界株投信が揃っている玄人向けのラインナップ
- 新NISAのメイン口座として使う(特にauユーザーにおすすめ)、iDeCoで大きなリターンを狙うといった使い方がおすすめ。「kabuステーション」のチャート用口座として使うという方法もある
2.auカブコム証券の特色と強み
2-1.新NISAの取引手数料が0円
auカブコム証券は、2024年から始まった新NISAの取引手数料について、国内株・単元未満株(プチ株)・米国株・投資信託で手数料無料です。
Pontaポイントを使った少額投資で、投資信託なら100円から、プチ株なら1株から購入でき、お試し感覚で新NISAを始めることもできます。
auカブコム証券のプチ株は、従来は100株からしか購入できない日本株を1株から購入できる少額投資制度で、値上がり益を享受できることはもちろん、単元未満株でありながら株主優待・配当金の権利もあります。
投資信託は、1,600銘柄以上のラインナップとなっており、au PAYカード クレジット決済での積立も可能です。
米国株取引では、米国市場(NYSE、NASDAQ)上場銘柄の取引が可能となっています。
2-2.auPAYカードでお得、Pontaポイントが貯まる・使える
auカブコム証券は、新NISAやiDeCoの手数料や商品ラインナップではSBI証券や楽天証券などと比べて突出しているわけではありませんが、auユーザーやPontaカード保有者には嬉しい特典が多数あります。
au PAYカード決済なら、投資信託の積立金額の1%分が「Pontaポイント」として還元されます。
auカブコム証券では、投資信託を持っているだけでPontaポイントが貯まりますが、新NISAで購入した投資信託も対象です。
また、Pontaポイントは、投資信託やプチ株の購入代金に使うことができ、新NISA枠にあてることも可能となっています。
さらに、KDDI(au)が提供している通信と金融特典がセットとなった「auマネ活プラン」に加入した上で、「NISA口座」と「au PAYゴールドカード」を保有していると、還元率は合計3.0%になります(12ヶ月限定)。
※参考:auカブコム証券
※1%(au PAY カード決済による投資信託の積立)+0.5%(①auマネ活プラン加入特典)+1.5%(②auカブコム証券NISA口座保有・au PAY ゴールドカード保有で投資信託の積立)=3%(毎月の投資信託積立)。特典②は13ヶ月目以降:+0.5%。
毎月3万円を新NISAで積立投資した場合には、年間で最大10,800円のPontaポイント(13ヶ月目以降は同条件で年間最大7,200Pontaポイント)が貯まり、このPontaポイントを投資信託に再投資することも可能です。
2-3.高機能チャートツール「kabuステーション」が使える
auカブコム証券の高機能チャートツール「kabuステーション」は、多くの個人投資家に愛用されている投資ツールとして知られています。
「kabuステーション」は、PC上で株価情報やニュースなどを配信する投資情報ツールで、国内現物株式、国内信用取引、米国株式、先物・オプション取引の発注機能も兼ね備えています。
「kabuステーション」の利用料金は990円(税込)/月となっていますが、取引実績や口座状況に応じて、無料で利用可能です。
具体的には、kabuステーションの通常プランは、以下のいずれかに該当する場合に無料で利用できます。
- 初回申込みの翌々月第1営業日まで無料
- auカブコム証券で月1回以上の取引で翌月無料
- 申込日の前営業日の預り資産100万円以上で翌月無料
- 国内信用取引口座開設済みの場合無料
- 先物オプション、FX、取引所CFDいずれかの口座を新規開設すると翌月無料
取引しなくても、預り資産100万円以上か、信用取引口座開設で無料となるため、これらの条件を満たせば実質的に永年無料で利用できます。
無料チャートツールとしては、SBI証券の「HYPER SBI II」、楽天証券の「マーケットスピード II」、マネックス証券の「マネックストレーダー」などが有名ですが、auカブコム証券の「kabuステーション」を一度は試しに使ってみても損はありません。
2-4.auじぶん銀行と連携すると金利が0.10%に
auカブコム証券は、日本最大級の金融グループ「三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)」と、KDDIの完全子会社である「auフィナンシャルホールディングス」によるネット証券です。
同グループは、ネット銀行「auじぶん銀行」でも知られており、auカブコム証券との連携サービスも魅力となっています。
auじぶん銀行で「auマネーコネクト(リアルタイム口座振替)」を利用すると、auじぶん銀行とauカブコム証券間の資金の入出金が手間なくスムーズになり、「auマネーコネクト優遇プログラム」で円普通預金金利が通常の100倍(年0.001%→年0.10%)になります。
一般的には、証券会社に資金を入金したままにしておいても、その買付資金に金利は付きません。
auじぶん銀行を口座開設して連携すると、余剰資金は銀行に預けて優遇金利を受け取ることができ、証券取引で資金が必要な時は自動で入金できるようになるため、金利の分だけお得になります。
auカブコム証券を使う際には、auじぶん銀行も同時に口座開設して連携してみるようにしましょう。
2-5.iDeCoはハイリスク・ハイリターンの玄人・上級者向けラインナップ
auカブコム証券のiDeCoは、口座開設手数料・口座手数料のいずれも手数料最安値帯となっています。
※参考:auカブコム証券「iDeCo」
iDeCo手数料が最安値なのは主要ネット証券で横並びのため変わりませんが、auカブコム証券のiDeCoの特徴はハイリスク・ハイリターンの世界株投信に強い点にあります。
auカブコム証券では、アクティブ型の世界株投信として「iTrust世界株式」「iTrustバイオ」「iTrustロボ」の3銘柄を取り扱っています。
こちらの3銘柄の直近5年間のリターンは次の通りです(2023年11月末時点)。
投資信託 | 直近5年間のリターン |
iTrust世界株式 | +85.11% |
iTrustバイオ | +43.76% |
iTrustロボ | +160.97% |
※参考:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | +100.46% |
特に、世界中のロボット関連技術や部品、人工知能(AI)等に携わる企業に投資する「iTrustロボ」は、直近5年間で+160.97%という驚異的なリターンです。
ただ、「iTrust世界株式」「iTrustバイオ」は、信託報酬が低い世界株インデックス型投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」よりリターンが低くなっており、アクティブ型ゆえにハイリスク・ハイリターンです。
auカブコム証券のiDeCoはハイリスク・ハイリターンのため万人におすすめできるわけではありませんが、上級者や玄人向けと認識しておくようにしましょう。
3.auカブコム証券の使い方の例3点
3-1.新NISAのメイン口座として使う(特にauユーザー)
auカブコム証券は新NISAの取引手数料が無料となっており、2024年から始まった新NISA用のメイン口座として使っても問題ありません。
新NISAでは、非課税投資枠が最大1,800万円(成長投資枠1,200万円)まで拡充され、非課税期間が恒久化されました。
株や投資信託の値上がり益が恒久的に非課税となることはもちろん、配当金や分配金も恒久的に非課税となるため、非課税で浮いた資金をそのまま再投資することで資産を雪だるま式に増やすこともできます。
特に、Pontaポイントが貯まりやすいauユーザーは、貯まったPontaポイントで投資信託などに投資するなど、Pontaポイントを再投資できるためおすすめです。
auカブコム証券では、新NISAを使って次のような投資をすることが可能です。
- 米国株:生成AIにも強い【NVDA】NVIDIAなどの成長株に投資する、【KO】コカ・コーラなどの連続増配年数が長い高配当株に投資する。
- 国内株式:【9434】ソフトバンクや【2914】JTなどの配当利回りが高い高配当銘柄に分散投資し、配当金を再投資して雪だるま式に増やす。
- 投資信託:全世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 」や米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資する。
- 国内ETF:米国株ETF【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信や世界株ETF【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)に投資する。
3-2.iDeCoで大きなリターンを狙ってみる
auカブコム証券は、iDeCo手数料が最安値帯のため、iDeCo口座として選択することもアリです。
ただ、auカブコム証券のiDeCo商品は癖のある銘柄が多いため、低信託報酬のeMAXIS Slimシリーズが揃っているSBI証券やマネックス証券に比べると、初心者におすすめはできません。
auカブコム証券のiDeCoは、ハイリスク・ハイリターンのアクティブ型世界株投信が揃っているため、iDeCoで大きなリターンを狙いたい方におすすめとなります。
特に、世界中のロボット・AI企業で運用する「iTrustロボ」がおすすめの銘柄です。
再三になりますが、auカブコム証券iDeCoのアクティブ型世界株投信はハイリスク・ハイリターンであることには注意しておきましょう。
なお、auカブコム証券のiDeCoでは、「auスマート・ベーシック(安定/安定成長)」「auスマート・プライム(成長/高成長)」の2銘柄は、保有しているだけでポイントが貯まりますが、この2銘柄は信託報酬が1.5%以上と、ポイント還元以上に信託報酬が高いためおすすめできません。
3-3.「kabuステーション」のチャート用口座として使う
auカブコム証券は、チャート用口座として使うこともおすすめです。
auカブコム証券は、取引手数料という点で見ると、現物株取引では無料のSBI証券・楽天証券より高く、信用取引ではSBIネオトレード証券などに比べて高くなっています。
auカブコム証券は、取引用口座としては、手数料が中途半端であるため、あまりおすすめできないと言わざるを得ません。
ただ、auカブコム証券の高機能チャートツール「kabuステーション」は有用であるため、チャートは「kabuステーション」を使いながら、他の手数料が安い証券会社で取引するという使い方は有効です。
「kabuステーション」は、預かり資産100万円以上か、信用口座の開設で使用料が無料となるため、チャート口座として使うためだけにも条件を満たしておいて損はありません。
以上がauカブコム証券の紹介となります。auユーザーには特にオススメの証券会社となっていますのでご活用いただければ幸いです。
次回もよろしくお願いいたします。