今回は巷で話題になっている「グローバルX 半導体 ETF(2243)」を取り上げていきます。
概要
時間がない方向けの概要としては次の通りです。
- グローバルX 半導体 ETF(2243)はフィラデルフィア半導体株指数に連動するように設計されているETF。
- メリットが4点ある。
- デメリットもある。
- グローバルX 半導体 ETF(2243)を使ったポートフォリオ例もあるよ。
グローバルX 半導体 ETF(2243)って何?
まずはグローバルX US テック・トップ20 ETF(2244)の特徴を見ていきます。
グローバルX 半導体 ETF(2243)とは、GlobalX社が提供しているETFの一種です。
グローバルX 半導体 ETF(2243)は「フィラデルフィア半導体株指数」に連動するように設計されているETFで、2023年4月13日に設定されました。高いポテンシャルが期待できる半導体関連分野に特化した国内初のETFとなります。
フィラデルフィア半導体株指数ってどんな指数?
フィラデルフィア半導体株指数は、米国上場の主要な半導体関連30銘柄で構成されている株価指数で半導体関連銘柄で構成されています。
時価総額加重平均で算出され、毎年9月に組入銘柄の見直しが実施されます。
また、流動性の要件を満たす銘柄のうち、半導体関連ビジネスにより収益を上げている時価総額上位30銘柄で構成されます。
グローバルX 半導体 ETF(2243)の主要構成銘柄上位10銘柄
グローバルX 半導体 ETF(2243)の構成銘柄上位10銘柄は以下のとおりです。
世界をリードする半導体関連企業で占められていることがわかります。
ティッカー | 会社名 | 構成比率 |
NVDA | NVIDIA(エヌビディア) | 9.87 % |
AMD | AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ) | 9.27 % |
AVGO | Broadcom(ブロードコム) | 8.20 % |
SOXQ | Invesco PHLX Semiconductor E | 7.95 % |
QCOM | Qualcomm Incorporated(クアルコム) | 7.01 % |
INTC | Intel Corporation(インテル) | 5.62 % |
ASML | ASML Holding N.V. | 4.06 % |
AMAT | Applied Materials(アプライド・マテリアルズ) | 3.93 % |
TSM | 台湾積体電路製造 | 3.86 % |
LRCX | LamResearch(ラムリサーチ) | 3.82 % |
※2024年3月31日時点の情報。
グローバルX 半導体 ETF(2243)のチャートで見るパフォーマンスは?
グローバルX 半導体 ETF(2243)の設定日(2023年4月13日)以来チャートを見てみましょう。
まだ設定から間もない当ETFですが、ビッグテックの堅調な業績を反映し、成長が見て取れます。
ただし、30銘柄しか組み込まれていないため、特定の銘柄のパフォーマンスの影響を受けやすいことから、ホールドにはビッグテックを信仰する強い心と投資ルールが必要になるでしょう。
VOOとQQQ、グローバルX 半導体 ETF(2243)を比較すると直近1年ではコロナから明け、半導体関連企業が軒並み絶好調だったことから、大きくアウトパフォームしています。
※Googleファイナンスから引用。
グローバルX 半導体 ETF(2243)のメリット
グローバルX 半導体 ETF(2243)に投資するメリットは以下4点です。後ほどデメリットも記載しますが、そのデメリットを考慮しても余りあるメリットがありますので、
「アメリカの半導体関連企業及び技術革新を信じている人」、「リスクを取って成長性のみを追い求めたい人」、「あれこれ考えずアメリカのビッグテックのみに投資したい人」には一考の余地があると思います。
- 値動きが大きいため大きい値上がりが期待できる
- 半導体関連企業は今後も成長が期待できる
- あれこれ考えず当ETFのみで半導体関連銘柄のみに投資できる
- 新NISAで積立投資ができる
1.値動きが大きいため大きい値上がりが期待できる
構成する半導体関連企業は景気の影響を大きく受け、成長するときは大きく成長します。特に最近の例で言うと半導体銘柄であるNVIDIAの成長が著しく、2243をけん引しています。
2.半導体関連企業は今後も成長が期待できる
半導体関連企業は無配のところが多く、配当に回す分を技術投資へ回しています。それを基に新技術を開発し、飛躍を続けるため、今後も成長することが期待できます。
3.あれこれ考えず当ETFのみで半導体関連企業のみに投資できる
当ETFを持てば半導体関連企業に投資できてしまうことから、あれこれ考えたくない方にとっては非常に手軽なETFと言えます。
4.新NISAで積立投資ができる
グローバルX 半導体 ETF(2243)は新NISA成長投資枠に採用されていることから、長期的な資産形成を目指すことができます。
グローバルX 半導体 ETF(2243)のデメリット
次にデメリットを見ていきます。デメリットは次の3点です。
- 値動きが激しく、下落するときは大きく下げてしまう
- 信託報酬が割高
- 分散が効かない
1.値動きが激しく、下落するときは大きく下げてしまう
メリットの裏返しになってしまうのですが、景気の影響を受ける半導体関連企業は不況時に大きく値を落としてしまいます。それゆえ、半導体関連企業で構成される当ETFは不況時には大きく値を下げてしまうことが予想されます。
2.信託報酬が割高
経費率は、年0.4125%(税込)です。NASDAQ100連動商品などに比べるとやはりやや高くなっています。
VOOやVTI等と比較するとやはり信託報酬が高いと言わざるを得ません。
3.分散が効かない
半導体関連企業のみで構成されることから当然ながら分散が効いているとは言えません。
以上が、グローバルX 半導体 ETF(2243)のデメリットとなります。
まとめ
- グローバルX 半導体 ETF(2243)は「フィラデルフィア半導体株指数」に連動するように設計されているETF。
- グローバルX 半導体 ETF(2243)には他の銘柄に負けないメリットがある。
- デメリットもある。
グローバルX 半導体 ETF(2243)を使ったポートフォリオ例
最後に、グローバルX 半導体 ETF(2243)を使った投資の一例を紹介していきます。
基本のグローバルX 半導体 ETF(2243)100%ポートフォリオ
特徴:グローバルX 半導体 ETF(2243)のみで構成される基本的なポートフォリオ。
構成ETF | 比率(%) |
グローバルX 半導体 ETF(2243) | 100 |
半導体リーダーシップポートフォリオ
特徴:半導体業界に焦点を当て、QQQのテクノロジー企業と半導体ETFでリスクを分散し、セクターのリーダーシップを追求する。
構成ETF | 比率(%) |
グローバルX 半導体 ETF(2243) | 50 |
QQQ(Invesco QQQ Trust Series 1) | 25 |
SMH(VanEck Semiconductor ETF) | 25 |
アグレッシブ半導体ポートフォリオ
特徴:積極的にリスクを取り、半導体主体のポートフォリオでパフォーマンスを追及する。
構成ETF | 比率(%) |
グローバルX 半導体 ETF(2243) | 50 |
SOXL(Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares) | 50 |
インカム半導体ポートフォリオ
特徴:高配当株と半導体業界の組み合わせにより、インカムと成長の両面をバランスよく追求する。
構成ETF | 比率(%) |
グローバルX 半導体 ETF(2243) | 45 |
VYM(Vanguard High Dividend Yield Index Fund ETF) | 35 |
SMH(VanEck Semiconductor ETF) | 20 |
バランスドディフェンシブ半導体ポートフォリオ
特徴:半導体業界への投資として2243を中心に据えつつ、株式市場全体と公益事業株といった安定的なセクターETFを組み合わせ、ポートフォリオのリスクを軽減する。
構成ETF | 構成比率(%) |
グローバルX 半導体 ETF(2243) | 45 |
VTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF) | 30 |
VPU(Vanguard Utilities Index Fund ETF) | 25 |
人により取れるリスクは異なりますので、どの投資戦略が良いかは一概に言えません。
上記ポートフォリオ案が参考になれば幸甚です。
以上がグローバルX 半導体 ETF(2243)の紹介となります。次回もお付き合いいただけますと幸いです。