連続増配ETFで堅調にマネーマシンを作ろう!VIG編

  • 2024年3月3日
  • 2024年5月1日
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キャシー
今回は高配当ETFとして有名な「VIG」を取り上げていくよ!
 
ブルーム
どんなETFなのかな?
 
キャシー
連続増配銘柄で構成されたETFだよ!詳しく見ていこう!

今回は連続増配ETF「VIG」を取り上げていきます。

 

概要

時間がない方向けの概要としては次の通りです。

 

  1. VIGはS&P US Dividend Growers指数に連動するように設計されているETF。
  2. メリットが4点ある。
  3. デメリットもある。
  4. VIGを使ったポートフォリオ例もあるよ。

VIGって何?

まずはVIGの特徴を見ていきます。

 

VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF)とは、Vanguard社が提供している「上場投資信託(ETF)」の一種です。
VIGは「S&P US Dividend Growers指数」に連動するように設計されているETFで、2006年4月27日に設定されました。

 

S&P US Dividend Growers指数とは?

 
ブルーム
S&P US Dividend Growers指数ってなに?
S&P US Dividend Growers指数とは?

S&P US Dividend Growers指数とは、10年以上連続増配している大型米国株を中心に構成されている指数のことです。また、構成銘柄の全てに均等に投資するのではなく、時価総額加重平均を採用しています。

※時価総額加重平均:時価総額が大きい銘柄には大きく投資して、時価総額が小さい銘柄には少しだけ投資する方法のこと。

つまり、VIGは「10年以上連続増配している米国企業で構成されたETF」、「時価総額が大きい企業がたくさん組み込まれたETF」という特徴を持ったETFであるといえます。

 

VIGは年4回の決算(3・6・9・12月)において分配金が支払われます。利回りはおよそ1~2%です。


連続増配企業を中心に構成されていることもあり、年間分配金の推移を見るとは年々増配傾向にあります。しかし、高配当ETFであるVYMやSPYD、HDVと比べると若干見劣りします。

ただし、先述したとおり、連続増配する企業で構成されており、他の企業と比べ競争力や成長力が高く、投資家もそれを見越し買い続けることが考えられることから、値上がりや増配が期待できる非常に堅調なETFとなっています。

 

 
キャシー
増配傾向で堅調な構成銘柄だと安心してホールドできるね!

 

VIGの基礎情報は次のとおりです。

ティッカー VIG
名称 Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF
運用会社 Vanguard
ベンチマーク S&P US Dividend Growers Index
市場 NYSE ARCA
経費率 0.06%
構成銘柄数 315
※2024年1月31日時点の情報。

 

情報技術、金融、ヘルスケア、産業用機器など多くのセクターに分散投資していることがわかります。

 

※2024年1月31日時点の情報。

Vanguard社HP参照。

 

 
キャシー
多くのセクターに分散投資しているね!

 

VIGの主要構成銘柄は次のとおりです。
世界を代表する大企業が多く入っていることがわかります。上位10銘柄の米国大企業で約30%を占めています。

 

 

ティッカー 会社名 構成比率
MSFT Microsoft Corp.(マイクロソフト) 5.53 %
AAPL Apple Inc.(アップル) 4.19 %
JPM JPMorgan Chase & Co.(JPモルガン・チェース) 3.28 %
AVGO Broadcom Inc.(ブロードコム) 3.27 %
UNH UnitedHealth Group Inc.(ユナイテッドヘルス) 3.08 %
V Visa Inc. Class A(ビザ) 2.72 %
XOM Exxon Mobil Corp.(エクソンモービル) 2.68 %
JNJ Johnson & Johnson(ジョンソンエンドジョンソン) 2.49 %
MA Mastercard Inc. Class A(マスターカード) 2.44 %
PG Procter & Gamble Co.(プロクター&ギャンブル) 2.42 %

※2024年1月31日時点の情報。

Vanguard社HP参照。

VIGのチャートで見るパフォーマンスは?

 

VIGの設定日(2006年4月27日)以来チャートを見てみましょう。

コロナショックによりVIGも大きく下落をしていきました。しかし、以下の理由により回復し、堅調な推移で価格を上昇させています。

 

  • 連続増配企業を対象としているため、財務的に健全であり、安定して競争力の高いビジネスモデルを持っていた
  • 米国の積極的経済政策と連続増配企業の競争力が組み合わさり、高い経済成長力をキープした
  • VIGは300を超える企業に分散投資をしているため、一部企業の業績が低迷しても、全体としてのパフォーマンスに大きな影響を与えなかった。
  • 1年に1度(毎年3月)銘柄入替を行い、競争力や成長力の高い連続増配企業を採用し続け、この商品本来の意図(コンセプト)を守り続けたことが投資家に好感された

 

増配傾向+値上がり(キャピタルゲイン)+配当が期待できる魅力あるETFといえます。

 

 

VIGのメリット

VIGのそれぞれメリットを見ていきましょう。後ほどデメリットも記載しますが、そのデメリットを上回るメリットがありますので、高配当投資を目指す方には一考の余地があると思います。

 

  1. 分散投資が可能
  2. 今後高配当化することが期待できる
  3. 値上がり益(キャピタルゲイン)が狙える
  4. 経費率が

 

 

1.分散投資が可能

 

VIG1銘柄だけで315社への分散投資を行えるので、1企業の業績が悪化した場合にも価格変動リスクを大幅に抑えられるでしょう。
企業選定や分析をVanguard社のプロに任せることができ、その間自分は好きなことに時間を使えることも大きなメリットです。
またVIGは分散が効いているため、「どの米国株に投資したらいいかわからない」という方にも適しています。

 

2.今後高配当化することが期待できる

 

現在の配当利回りは1~2%であり高配当ETFと比較すると見劣りするかもしれません。
ただし、連続増配企業で構成されており、分配金は右肩上がりで動くことが予想されます。
VIGをホールドし続け、配当再投資を繰り返すことで分配金はさらに大きくなり、高配当ETF化することも夢ではありません。

 

3.値上がり益(キャピタルゲイン)が狙える

 

10年以上連続増配企業が主な投資対象であり、安定した財務健全性を持ち、株主還元に積極的なことから、株価の上昇も期待できます。
設定以来で260%を超える値上がり率を記録しています。(上記チャート参照)
分配を受け取りつつ値上がり(キャピタルゲイン)も狙える銘柄として非常に優秀です。

 

4.経費率が低い

 

経費率とはファンドの資産残高に対する、ファンドの運用などにかかる経費の比率のことです。当然ながらお財布から出ていくお金は少ない方がよく、VIGの経費率は0.06%と脅威の低コストを実現させています。
先述のとおり、連続増配315銘柄で構成されるVIGを0.06%の経費率で買う事ができるのはほぼ反則技と言ってもいいくらいのコスパと言えます。 

 

HDVのデメリット

次にデメリットを見ていきます。デメリットは次の4点です。

 

  1. 配当利回りが今は低い
  2. 値上がりはゆるやか
  3. 分配金の再投資が面倒
  4. 二重課税される。それを取り返すのが面倒

 

1.配当利回りが今は低い

 

VIGは10年間連続増配銘柄のみで構成されていますが、過去の平均利回りは2%程度と低めで、決して高配当と言えるETFではありません(ただし、上記メリットに記載したように今後高配当化することは期待できます)。

 

2.値上がりはゆるやか

 

先述の通りVIGは一定の値上がりは期待できますが、他のETFに比べ、値上がりはゆっくりです。
NASDAQを対象としたQQQ、S&P500を対象としたVOO、米国株式市場全体を対象とするVTIといった銘柄に比べると値上がり率は低いため、キャピタルゲインを狙うなら他のETFへの投資が有効です。

 

3.分配金の再投資が手間

 

長期投資では分配金を再投資して元本に組み入れ、複利効果を享受するのがセオリーですが、ETFは投資信託と異なり、自動で再投資することができません。VIGから支払われた分配金を再投資するには自分で買付を行わなければならないため、手間がかかります。また、1回で受け取る分配金がVIGの1口分に満たなければ、分配金をそのまま再投資に回すことはできません。資金繰りやドル転のタイミングなども考慮しなくてはならないため、投資信託と比べ手間が多く発生します。長期投資を行うにあたって分配金を自動で再投資したい方は投資信託を活用することをおすすめします。

4.二重課税される。それを取り返すのが面倒

 

VIGは米国ETFであるため、米国と日本でそれぞれ課税される「二重課税」の問題が起こります。米国ETFの分配金は米国で10%の税率で源泉徴収された後、残り90%に対して日本国内で20.315%の課税がなされます。
この二重課税を解消する方法として外国税額控除の仕組みが用意されていますが、控除を受けるためには自分で確定申告をしなければなりません。この確定申告が非常に面倒なため、取り返すのがおっくうになります。

 

以上が、VIGのデメリットとなります。

 

まとめ

  1. VIGは「S&P US Dividend Growers指数」に連動するように設計されているETF。
  2. VIGには他の銘柄に負けないメリットがある。
  3. デメリットもある

VIGを使ったポートフォリオ例

最後に、VIGを使った投資の一例を紹介していきます。

 

基本のVIG100%ポートフォリオ

特徴:VIGのみで構成される基本的なポートフォリオ。

構成ETF 比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 100

 

ディヴィデンド・リーダーシップ・ポートフォリオ

特徴:高い配当利回りを提供するVIGと他の高配当ETFを組み合わせ、安定的な収益性を確保する。

構成ETF 比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 50
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF) 20
SDY(SPDR S&P Dividend ETF) 15
SCHD(Schwab US Dividend Equity ETF) 15

 

 

グロース・インカムブレンド・ポートフォリオ

特徴:高い成長性を持つテクノロジー株や成長株(QQQ、VUG)とVIGの高配当株を組み合わせ、リターンの向上を目指す。

構成ETF 比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 45
QQQ(Invesco QQQ Trust Series 1) 25
VUG(Vanguard Growth Index Fund ETF) 20
VTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF) 10

 

増配バランスポートフォリオ

特徴:安定的な収益を追求するために、VIGと債券、不動産へのバランスを取る。

構成ETF 比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 40
BND(Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF) 30
VTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF) 20
VNQ(Vanguard Real Estate Index Fund ETF) 10

 

 

グローバル・連続増配バランスポートフォリオ

特徴:VIGを中心に、国際的な高配当株と債券に分散し、グローバルな収益の可能性を追求する

構成ETF 構成比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 45
VYMI(Vanguard Internatl High Div Yield Index Fund ETF) 25
VT(Vanguard Total World Stock Index Fund ETF) 20
BNDX(Vanguard Total International Bond Index Fund ETF) 10

 

収益性+品質追求型連続増配ポートフォリオ

特徴:高品質な配当株(NOBL)、大型株(MGC)、国際的な高配当株(VIGI)と組み合わせ、収益性と品質を追求する。

構成ETF 構成比率(%)
VIG(Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF) 50
NOBL(ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF) 20
MGC(Vanguard Mega Cap Index Fund ETF) 20
VIGI(Vanguard Intl Dividend Appreciation Index Fund ETF) 10

 

 

人により取れるリスクは異なりますので、どの投資戦略が良いかは一概に言えません。

上記ポートフォリオ案が参考になれば幸甚です。

 

以上がVIGの紹介となります。次回もお付き合いいただけますと幸いです。